その後、どう過ごしたかなんて覚えていない。 気づいたら朝を迎えていた。 「らっ…サクラっ!」 かな、た……? 「早く起きなさいっ」 「わっ!」 一瞬、奏かと思ったけれど、布団を取って怒るお母さんがいた。 「もう何時だと思ってるの? 早く行きなさい」 時計に目を向けると、 「ヤバっ、」 いつもより起きる時間が10分過ぎていた。 「あのねえ、奏くんが迎えに来ないからって……」 用意してる私の周りでゴチャゴチャ言うお母さんを無視する。 ……いや、無視したかった。