掴まれた腕を引っ張られながら、奏は慣れた足取りで私の部屋へ向かう。
「入ってい?」
「どうぞ」
いつもはしない、確認をして入ってくれるんだなあって思いつつ、
今日はなんだか緊張でもしてるのか、変な緊張感が2人に流れてる。
なにを話されるんだろう……。
少しドキリとしながら、お互いベッドの端と端を座る。
開いた距離が、またなにかを感じさせる。
「お前んとこって、何気に綺麗だよな〜」
「そ、そうかな?」
「うん」
「…………」
「…………」
「え、っと……」
どうしよう。
なに話せばいいんだろう。
「あ、あの、話って?」
そうだ。
話を聞くために来たんだ。
……ドクン、ドクン。
胸の鼓動が、奏にも伝わってしまうんじゃないかってくらい聞こえる。
「あーうん……。実はさ、」
頭をかく奏。
少し視線を逸らし、下を向く奏。
やっぱり、聞かないほうが……
「俺…さ、あいつと付き合うことになった」


