目の前で立ち止まった奏に、みんなが視線を向ける。 「え、ウソ…!? あれ、浅海くんじゃん」 「キャ〜っ! かっこいい」 「イケメンすぎ〜っ」 周りの女子が騒ぎ始め、さっきの集団の顔を見ると、全員強張っていた。 「……あ、あさみくんっ」 リーダーらしき女子も、さっきの態度とはまるで別人のようで 焦ったように、髪を触る。 後ろにいた子たちも、まるで別人だ。 忘れていた……。 奏はこれでも、イケメンで結構騒がれているってことを。