私、今から詐欺師になります

「あ、あの、戻りましたから、お昼行かれたらどうですか?」

 どうしたんだろう、といつもクールな自分が取り乱しているのを怯えたように見ている。

「あら、そう。
 ありがとう」

 佐緒里は慌てて、落ち着いた先輩の顔を取り繕い、微笑んだ。