「すごく嫌な予感がします」
玲の横で、パソコンを打っていた茅野が突然、そんなことを言い出した。
結局、此処で働くことになった茅野だが、玲の手伝いといっても、本来、玲は秘書ではないし。
特に秘書室などという場所もなく、玲は一般社員と机を選べて仕事をしている。
だから、茅野もそれに習って、空いていた玲のデスクの横で頼まれた仕事をしていたのだが。
「予感?」
と玲が問うと、
「私、勘がいいんです。
なにかこう、嫌な予感が……」
そう言うや否や、突然、立ち上がった茅野はウロウロしたあとで、何故かロッカーに行った。
すぐに携帯を手に戻ってくる。
「忘れてました。
携帯のGPS。
これで私が此処に居るのが、知られてしまうんです」
「茂野社長に?」
と玲は小声で問う。



