穏やかな午後。

 なにも先は見えてはこないけれど、ずっと不満の残るまま、鳥かごの中に居たときよりはマシだ。

 とりあえず、王子も悪魔も私も、膝を抱えてしゃがんではいない。

 まあ、しばらくは、これでいいかな、と思いながら、うんと明るい日差しを見る。

 まだ揉めながら入ってくる二人に向かい、茅野は笑って言った。

「お客様ー。

 すみません。
 図書館ではお静かにー」



                             了