私、今から詐欺師になります

「茅野っ。
 扉を開けて覗いてみろっ。

 お前が扉を閉めてる間に、王子は外でくたばっているっ!

 お前は、俺は膝を抱えて丸まったりしないとでも思っているのかっ」

 お前が王子の方に愛情がないだけだっ、と言いながら、穂積は、
「頭と身体をなにかで覆って伏せろっ」
と言い、窓を叩き割ってきた。

 下にあった煉瓦で割ったらしい窓の鍵を開け、穂積が狭いそこから、無理やり入ってくる。

 今自分が入った窓を振り向き、

「入れるじゃないか、此処。
 トイレの窓だからって開けとくなよ」

 防犯上問題がある、と呟いていた。

 今、身体を覆っていたタオルをうっかり落とした茅野は、慌てて、それについたガラスをはらって、身体を隠そうとする。

 穂積は上着を脱いで、茅野の肩にかけてくれた。

 だが、それで身体を隠そうとすると、穂積は閉じようとした胸許を開けさせ、茅野の身体を眺めたあとで、壁に押しつけ、キスしてきた。