私、今から詐欺師になります

 




 ひどすぎる。
 トイレに閉じ込めるなんて……。

 便器のパイプに頑丈な手錠で左手を繋がれた茅野は、トイレで膝を抱えて震えていた。

 ちょっと寒いし、となんとか手が届いたタオルハンガーから、タオルを引きずりおろして、お腹に巻く。

 少し離れている手洗い場までは手は届かない。

 無駄にトイレが広すぎるからだ。

 それがわかっていたからか。
 秀行は水のペットボトルだけは置いておいてくれた。

 ……これで七日は生きられるか、としょうもないことを思う。

 何度も手錠を引っ張ってみたが、外れそうにはない。

 トイレが広いから、ドアは遠いし、窓は高い位置に小さいのがひとつだけだ。

 かろうじて、外と繋がりが持てそうなのは、その窓だけだが。

 それも、つながれている水のパイプが短くて、立ち上がって、窓に手をかけることさえ出来ない。

 うう。
 どうしたら。