「自分が死んでどうする、茅野。
お前の両親とか、年の離れた弟とか。
お前の実家の会社の人間とか。
お前に無理強いした自分たちが悪かったと、お前の亡骸にすがって、泣き崩れるんだ。
『茅野さん、茅野さんっ。
すみませんでしたーっ』
って、あの、人の良さそうな役員の爺さんが泣いて泣いて、死んで詫びようとするかもしれないな」
……リアルに想像してしまった。
なんで無駄に小芝居が上手いんだ。
泣いてしまったではないか、と思う。
「茅野……」
と秀行は茅野の前に膝をついて言う。
「俺は自分が年老いたときのことなんて、ずっと考えたくなかった。
でも、お前と出会って、こいつと一緒に年をとっていきたいなと思った」
と秀行が手を取ってくる。
「そして、この間、お前に車椅子を押してもらったとき、本気でそう願ったんだ。
な、茅野。
このまま、此処で、俺と一緒に年をとっていこうっ」
いや……。
あの、私は、具合が悪くて、当たり散らす貴方の横暴さと、私が具合が悪くなったときに面倒を見る気ゼロな感じに、もう駄目だと思ったんですが。
だが、秀行が自分が出て行ったあと、入院したりして、一人になったら、可哀想だな、とは思ってしまった。
お前の両親とか、年の離れた弟とか。
お前の実家の会社の人間とか。
お前に無理強いした自分たちが悪かったと、お前の亡骸にすがって、泣き崩れるんだ。
『茅野さん、茅野さんっ。
すみませんでしたーっ』
って、あの、人の良さそうな役員の爺さんが泣いて泣いて、死んで詫びようとするかもしれないな」
……リアルに想像してしまった。
なんで無駄に小芝居が上手いんだ。
泣いてしまったではないか、と思う。
「茅野……」
と秀行は茅野の前に膝をついて言う。
「俺は自分が年老いたときのことなんて、ずっと考えたくなかった。
でも、お前と出会って、こいつと一緒に年をとっていきたいなと思った」
と秀行が手を取ってくる。
「そして、この間、お前に車椅子を押してもらったとき、本気でそう願ったんだ。
な、茅野。
このまま、此処で、俺と一緒に年をとっていこうっ」
いや……。
あの、私は、具合が悪くて、当たり散らす貴方の横暴さと、私が具合が悪くなったときに面倒を見る気ゼロな感じに、もう駄目だと思ったんですが。
だが、秀行が自分が出て行ったあと、入院したりして、一人になったら、可哀想だな、とは思ってしまった。



