「俺がお前の夫だったら、やっぱり同じことをするかもしれないと思うと、直接、茂野を責める気にはなれない」
「……穂積さん」
「俺の手に入らないのなら死ね、か」
といつか茂野の言った言葉を穂積が口にする。
「まあ、俺もそう思わないでもないが」
ええっ? と思って見ると、
「どっちかって言うと、幸せになって欲しいかな」
俺から離れても、と言いながら、茅野の肩にかかった髪を後ろに払ってくれる。
「人を好きになるって、こんな気持ちになることだったんだな」
と言いながら、腰に手を回してきた穂積に抱き寄せられる。
穂積の香りが鼻先でして、さっき、私にすがってくれと言ったくせに、自分が穂積の胸に顔をうずめてすがってしまう。
「大丈夫だ。
俺はお前に出会えただけで、此処まで生きてきた甲斐はあったと思うし、俺の人生に意味はあったと思うから。
お前の心を自分だけに向けさせられなかった俺が悪いんだ」
穂積さん……。
「……穂積さん」
「俺の手に入らないのなら死ね、か」
といつか茂野の言った言葉を穂積が口にする。
「まあ、俺もそう思わないでもないが」
ええっ? と思って見ると、
「どっちかって言うと、幸せになって欲しいかな」
俺から離れても、と言いながら、茅野の肩にかかった髪を後ろに払ってくれる。
「人を好きになるって、こんな気持ちになることだったんだな」
と言いながら、腰に手を回してきた穂積に抱き寄せられる。
穂積の香りが鼻先でして、さっき、私にすがってくれと言ったくせに、自分が穂積の胸に顔をうずめてすがってしまう。
「大丈夫だ。
俺はお前に出会えただけで、此処まで生きてきた甲斐はあったと思うし、俺の人生に意味はあったと思うから。
お前の心を自分だけに向けさせられなかった俺が悪いんだ」
穂積さん……。



