いい方ですね、と微笑んだときの茅野を思い出していた。
彼女の表情が、まとっている雰囲気が、本当に好きだと思った。
そんな茅野が、ただ先に出会ったというだけで、未来永劫、茂野のものだと決められてるなんて理不尽だ、という思いに囚われる。
友だちが結婚するたび、おめでとうと言いながら、よくわからん、と思っていた。
付き合うに至るまでの長い長い物語なんぞを聞くと、特に。
素直に、よかったな、とは思いながらも、そこまでの情熱が恋愛なんてものに、どうして湧いてくるのだろうとずっと疑問に思っていた。
ちょうど、玲が社長室から出てくるところだった。
「何処行ってんの?
行くよ、社長」
と言ってくる。
その口調に、どっちが社長なんだか、と思いながらも、玲には感謝していた。
自分が会社を立ち上げたときも、なんだかんだ言いながらもついて来てくれたし。
荷物をそろえ、一緒にエレベーターに乗りながら問うてみた。
「なあ」
「んー」
とさっき茅野と読み合わせしていたらしい書類を見ながら玲は返事してくる。
「お前、茅野になにか言ったか?」
「え? なんで?」
彼女の表情が、まとっている雰囲気が、本当に好きだと思った。
そんな茅野が、ただ先に出会ったというだけで、未来永劫、茂野のものだと決められてるなんて理不尽だ、という思いに囚われる。
友だちが結婚するたび、おめでとうと言いながら、よくわからん、と思っていた。
付き合うに至るまでの長い長い物語なんぞを聞くと、特に。
素直に、よかったな、とは思いながらも、そこまでの情熱が恋愛なんてものに、どうして湧いてくるのだろうとずっと疑問に思っていた。
ちょうど、玲が社長室から出てくるところだった。
「何処行ってんの?
行くよ、社長」
と言ってくる。
その口調に、どっちが社長なんだか、と思いながらも、玲には感謝していた。
自分が会社を立ち上げたときも、なんだかんだ言いながらもついて来てくれたし。
荷物をそろえ、一緒にエレベーターに乗りながら問うてみた。
「なあ」
「んー」
とさっき茅野と読み合わせしていたらしい書類を見ながら玲は返事してくる。
「お前、茅野になにか言ったか?」
「え? なんで?」



