私、今から詐欺師になります

 穂積さん、一緒に夕食を食べられるのなら、なにかお腹にやさしくて、美味しいものでも奢ってあげようかな、と思いながら、茅野は、
「わかりました」
と頷いた。

 本当はなにか作ってあげたいけど、うちには来ないだろうし、穂積さんの家に上がり込むわけにもいかないしな。

 そう思ったときだけ、少し胸が痛んだ。