戻ると、茅野はもういつも通り仕事していて、八重島たちになにか言われて笑っていた。 そんな茅野の強さに少し微笑む。 「そうですねー。 人生やり直せるなら、五分間隔で、もう離婚しますっ、とか叫ばなくていい相手と結婚してみたいです」 と茅野が言っているのが聞こえた。 なんの話してるんだ……と思う。 今、本気で考えているのだろう、その言葉を、笑いながら口に出せるのかすごいな、と思っていた。 一度始めたことは最後まで、か。 茅野にとっては、秀行との結婚も、一度始めたことのはずだった――。