私、今から詐欺師になります

 




「茅野。
 茅野っ」

 何度か呼びかけられて、はあ? と茅野は顔を上げる。

「お前、何個リンゴ剥いてんだ」

 二人しか居ないぞ、と秀行に言われ、見ると、穂積が持ってきてくれたリンゴ五つを全部剥いていた。

「ああ、すみません。
 ジュースにでもしましょうか」

「此処にジューサー持ってきて、ガーガーやる気か。
 今すぐ出て行けと言われるぞ」

 すみません、ともう一度言い、
「ところで石、出たんですか?」
と問う。

「そんな簡単に出るわけないだろ」

「でも、もう全然、痛そうじゃないですけど。
 出たんじゃないですか?」

「出てないと思うが。
 痛み止めが効いてるからかもしれないし」
と秀行は言う。

「水分とって早く出してくださいね」
と言うと、秀行は、こちらを横目に見、

「さっさと元気にさせて、退院させようとしてるだろ」
と言ってくる。

「いけませんか~?」