私、今から詐欺師になります

「茂野」
と穂積が呼びかける。

「別に夜じゃなくても浮気は出来る。
 今夜に限らず出来るんだ。

 今日この日を選んで、人でなしになる気は俺はない」
とキッパリ言われ、さすがの秀行も、……そ、そうか、と言っていた。

「ともかく、茅野は此処に泊まれ」

 いいですよね、と秀行は看護師に脅すように言っている。

「は、はあ、まあ、いいと思いますけど」
と言わせ、

「泊まれよ、茅野」
と茅野を睨んで言う。

「もう~、怖がりなんだから」

 すみません、と看護師さんに謝ると、いえいえ、と笑っていた。

「誰が怖がりだ。
 此処に怖くて泊まれないのはお前だろう」

 ええっ?
 秀行さんでしょう? と言っていると、そのやりとりを見ていた穂積が、
「じゃあ、俺が泊まってやろうか。
 俺は別に幽霊は怖くない」
と言ってくる。