カラカラと泌尿器科に向かって、車椅子を押して行く途中、ふいに、秀行が、しょんぼりした声で言ってきた。
「まさかこんな早くにお前に車椅子を押してもらうことになるとはな」
「……私に老後を見てもらう気満々ですね」
弱った私を見てくれるって想定はないんですね、とつい、毒を吐いてしまう。
そのとき、
「あっ、茅野さんっ」
とスマホを手に省吾が駆けてくる。
いきなり秀行が倒れたので、外で、あちこちに連絡を取っていたようだ。
「すみません。
ありがとうございます。
早かったですね」
と言われ、
「穂積さんが乗せてきてくださったので」
と言うと、
「古島社長は?」
と訊かれる。
「もう帰られましたよ」
そうなんですか、と省吾は玄関の方を振り向いていた。
穂積がついて来てくれて、嬉しかった。
秀行も心細かっただろうが、自分も慣れない病院で、やはり、心細かったので。
ただの結石で、死にはしないとわかっていても、やはり不安だったし。
「まさかこんな早くにお前に車椅子を押してもらうことになるとはな」
「……私に老後を見てもらう気満々ですね」
弱った私を見てくれるって想定はないんですね、とつい、毒を吐いてしまう。
そのとき、
「あっ、茅野さんっ」
とスマホを手に省吾が駆けてくる。
いきなり秀行が倒れたので、外で、あちこちに連絡を取っていたようだ。
「すみません。
ありがとうございます。
早かったですね」
と言われ、
「穂積さんが乗せてきてくださったので」
と言うと、
「古島社長は?」
と訊かれる。
「もう帰られましたよ」
そうなんですか、と省吾は玄関の方を振り向いていた。
穂積がついて来てくれて、嬉しかった。
秀行も心細かっただろうが、自分も慣れない病院で、やはり、心細かったので。
ただの結石で、死にはしないとわかっていても、やはり不安だったし。



