自分のせいで石が出来たと医者にでも言われたのだろうかと怯えるが、秀行は、低く唸りながら、恨みがましく言ってくる。
「なんで俺が出産の痛みをお前より先にっ。
戻ったら、すぐに妊娠させてやるっ」
「どんな八つ当たりだ……」
元気じゃないか、と言った穂積が、
「入院ですか?」
と秀行の車椅子を押していた看護師に訊いていた。
「はい。
ご家族の方ですか?」
と看護師が笑顔で穂積に訊いている。
……どう家族に見えたんだろうな、と思った。
兄とか?
どっちの? と苦笑いする。
「あの、私、妻です」
と茅野は小さく手を挙げ言った。
「では、入院の手続きがありますので、あとでお願いします。
あちらでまた診察がありますので、泌尿器科に移動してください」
と言われ、秀行の車椅子を押す役を看護師から代わる。
廊下を押して歩いていると、横を歩く穂積が、
「代わろうか?」
と言ってくれたのだが、
「代わるなっ」
と前で秀行が怒鳴り出す。
「なんで俺が出産の痛みをお前より先にっ。
戻ったら、すぐに妊娠させてやるっ」
「どんな八つ当たりだ……」
元気じゃないか、と言った穂積が、
「入院ですか?」
と秀行の車椅子を押していた看護師に訊いていた。
「はい。
ご家族の方ですか?」
と看護師が笑顔で穂積に訊いている。
……どう家族に見えたんだろうな、と思った。
兄とか?
どっちの? と苦笑いする。
「あの、私、妻です」
と茅野は小さく手を挙げ言った。
「では、入院の手続きがありますので、あとでお願いします。
あちらでまた診察がありますので、泌尿器科に移動してください」
と言われ、秀行の車椅子を押す役を看護師から代わる。
廊下を押して歩いていると、横を歩く穂積が、
「代わろうか?」
と言ってくれたのだが、
「代わるなっ」
と前で秀行が怒鳴り出す。



