「玲さんがうちに来いと言ってくださったんですけどね」
『いや、それは行くな』
「いや、それは行くな」
と何故かそこで、二人の声が被さった。
なおも穂積と話しながら、茅野は笑う。
「大丈夫です。
秀行さんは、そこまでのロクでなしじゃないですから」
「待てっ。
古島は俺を何処までのロクでなしだと言ってるんだっ」
と刺股のせいで、それ以上前へ出られない秀行が叫ぶ。
だが、そこで、秀行はすっと身を引いた。
壁に追い詰めていたわけではないので、固定できていたわけではない。
激昂して突進して来るのを自分の身体から遠い位置で抑えられていたというだけだ。
「あっ。
逃げられましたっ、穂積さんっ」
追いますっ、と言って、携帯を切る間際、
『えっ?
待て、こらっ。
追わなくてもいいだろっ』
という穂積の声が聞こえた気がした。
『いや、それは行くな』
「いや、それは行くな」
と何故かそこで、二人の声が被さった。
なおも穂積と話しながら、茅野は笑う。
「大丈夫です。
秀行さんは、そこまでのロクでなしじゃないですから」
「待てっ。
古島は俺を何処までのロクでなしだと言ってるんだっ」
と刺股のせいで、それ以上前へ出られない秀行が叫ぶ。
だが、そこで、秀行はすっと身を引いた。
壁に追い詰めていたわけではないので、固定できていたわけではない。
激昂して突進して来るのを自分の身体から遠い位置で抑えられていたというだけだ。
「あっ。
逃げられましたっ、穂積さんっ」
追いますっ、と言って、携帯を切る間際、
『えっ?
待て、こらっ。
追わなくてもいいだろっ』
という穂積の声が聞こえた気がした。



