「私、穂積さんを見た瞬間に、この人ならって思ったんです。

 それってもしかして、人の道に外れた行いを貴方にならしていいと思ったわけではなくて。

 ただ、こういう人と結婚してみたかったと思ったんじゃないでしょうか」

 かなり間があった。

 口を開いた穂積が言う。

「……やっぱり、お前、凄腕の詐欺師だろ」