お前しか見えてないから。*特別番外編*


一体何を期待してたんだろうと思う。



ふと隣に目をやると、ナツくんはいつのまにか寝返りを打って、こちらに背中を向けている。



この微妙な距離が、何とも言えない気持ちになる。



もう少し近くで寝たかったな…とか、話したかったなぁとか、今さらのようにそんなことを考えて、だけどナツくんはきっと寝てしまったんだろうと思って、仕方なく目を閉じた。



そんな時…。



むくっと、隣のナツくんが起き上がる音がして。


驚いて目を開けたら、彼がいつのまにか私の布団のすぐそばまでやってきた。



…あれ?寝てなかったんだ。


どうしたのかな…。



「ナツくん…?」



ドキドキしながら声をかけると、彼は片手で頬を掻きながら口を開く。




「……やっぱり、一緒に寝る?」



…えっ!



少し照れたようにそう言われて、思わずドキンと心臓が飛び跳ねた。


同時に嬉しくなる。