『声は、可愛かった』 『なんてゆーか、地味。中の下かな』 男子高校生の言葉が耳から離れない。 だから、嫌だったんだ。 転校も、生まれ持ったアニメ声も。 この声で得したことなんかない。 友達と笑いながら町を歩けば、何人かは必ず振り返る。 病院に予約の電話を入れれば、子供に間違えられる。 新しく関わる人には声と顔のギャップが凄いねって言われたこともある。