やっぱり中山くん、凄い人だな。
こんな凄い人にノート貸してもらえた私って運が良いのかも。
そんなこと思いながら答案用紙をマジマジと見つめていると、隣の机がカタッと音を立てた。
視線を向けると通学カバンを机に置こうとしている中山くんとまたもや、目があってしまった。
…転校してから目を合わせるの何度目だろ?
フィッと中山くんから視線を逸らされてしまい、胸がズキッと痛んだ。
勝手にキレられたかと思えば、まるで自分のせいかのように教室を飛び出されて…良い気しないよね。
けど、どうしてもお礼が言いたいの。
中山くんのノートがなかったら90点なんて取れなかったんだから。

