わたしの声が生まれた日

わたしの言葉に中山くんはまた一瞬目を見開いたかと思えば、すぐに目を伏せてしまった。



「…そんなことで尊敬なんてお前どれだけ薄っぺらい人生送ってるんだ」




……えっ


何、この人?
凄いなと思ったこと言っただけなのに。




わたしの人生、薄っぺらいって?

同い年のくせに何がわかるのよ?
だいたいわたしの何を知っててそんなこというわけ?


…ダメだ。お腹の底からどんどん怒りがこみ上げてきた。



「そ、そりゃ、わたしは中山くんみたいに天才じゃないし、顔もイケてないけどさ…」




転校してまだ一週間。
喧嘩なんかしちゃダメだ、目立ったらダメだと思う…

でも、止まらない!!




「ちゃんと話したことないくせに、わたしのこと何も知らないくせに、わたしの人生、薄っぺらいとか決めつけないで!!」