キーンコーンカーンコーン

授業開始のベルが鳴って、みんなで席に着く。

1時間目は数学だった。



「えー、この問題解ける人」



げっ、二次関数…苦手なやつだ。

当たりませんように。と心の中で祈っていると



「じゃあ、中山」


隣の席の中山くんが当てられた。



「はい」


スタスタと黒板の前まで歩いていった中山くん、スラスラと答えを書いた。



「さすが、正解」


正解を書くのに1分もかからなかった。


花音の話では中山くんは前回の期末テストで数学と理科は学年トップだったらしい。



そんな人に嫌われちゃうなんて…。


チラッと中山くんの方を見ると転校して三度目、また目が合ってしまった。