「転校生って普通みんなに気を遣ったりするでしょ?休み時間とかみんなに愛想振りまいたり、声かけられたら友達になろうと頑張ったり。
でも、西野さんは昨日、普通に過ごしてだからなんかかっこいいなって思った」
前の席の女の子の言葉に涙が出そうになった。
私が昨日、普通に過ごしていたのは、みんなに声をかける勇気がなかっただけで、声かけられても友達になれなかったのは緊張しすぎて上手く会話をつなげなかっただけ、なのに。
そんな風に思ってくれる子がいたなんて。
感激。
「…ありがとう」
泣きそうになるのを必死に耐えて女の子を見つめニコッて微笑むと、女の子はまた私に意外な言葉をかけてくれた。
「なーんだ、笑った顔、可愛いじゃん」

