不思議の国の短期アルバイター


「「「あ」」」

誰がまず先に声を出したかわからないが、その場に居合わせた全員でハモった。


同じ言葉を言った瞬間に、ハッピーアイスクリーム、って言うのが小学生の時に流行ったなぁ。

って、現実逃避してる場合じゃない。


しばらくの沈黙。

最初に沈黙を破ったのは第三者だった。
 

「ちょっと、ハルト?誰この娘?」


「ん?弟子」


「二股かけてるんじゃないのぉ?」

出会い頭に私を威嚇してきたのは知らない女の人。


気の強そうな美人顔に、私のなだらかな胸とは大違いなグラマーでナイスバディなスタイル。

羨ましい…うぅ、泣いてません…


私をジロリと睨みつけながらこれみよがしに師匠に抱きついた。


しかもその場がベッドときたものだ。

青少年の教育にとても悪い。

ちなみに二人共ばっちりはだけていて目のやり場にとても困る。

イケナイ現場を目撃してしまった気がしてとっさに反応ができずにいた。


誰すかこの女の人。
彼女さんですか。

ショック…ではなかった。


別に師匠のことを恋愛対象としてみていたわけではないので。


ただ、怒られる。

ということだけは覚悟した。



うわもう最悪…バイト初日からお客さん殴った時より最悪…


あれは私が悪いんじゃなくて執拗に腰を撫で回してくる客が悪かったから無罪放免だったけど…



なにか、なにか気の利いたセリフを言わなきゃ!!