「ちょっと!!!!」
目の前で飛び降り自殺かよ!!美少女の死体なんて見るのやだよ!
慌てて窓に駆け寄り下を覗くと予想していた惨事はなく、何もなかった。
あれ?今落ちたよね?
「うふふ…上よ、ユズキ!」
「わっ!!?」
バっと上を見上げると先ほどの少女が可笑しそうに笑いながら、
「浮いてる…」
「飛んでるって言ってほしいわ」
ぷくっとほっぺたを膨らませ今までで一番歳相応な表情を浮かべた。
「ユズキは面白いわね」
「そりゃどうも」
反射的にお礼を言うとまた笑われた。
そして彼女は手に下げていたバスケットから花をひとつ取り出し私の髪に挿した。
「あげる、また会いたいから」
「じゃあ名前教えてよ」
「ナイショ!次のお楽しみねー」
「え?待ってよ!」
「じゃあね、ユズキ♪」
おどけた様にお辞儀をして、チュッと投げキッスを送った後に彼女は居なくなった。
…驚かないぞ、ここは魔法の国なんだから。
実は、腰を抜かしてへたり込んでしまったことは誰にも言えない秘密だ。

