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私と川崎七都は血が繋がっている。
一ヶ月前から住んでいる川崎家で、私の役割は主に食事の支度だ。川崎七都の母親である理香子さんが献立を決め、私はそれに従って買い物をし、朝晩の食卓をととのえる。
川崎家のキッチンは広い。コンロは四口もあるしシンクも大きい。アパートの狭い台所で長年やりくりしてきた私には、ちょっとばかり広すぎる。
「朝食ができました」
二階の川崎七都の部屋をノックしてキッチンに戻ると、一階の奥の部屋から理香子さんが姿を現した。パジャマ姿のままあくびをしながら、食卓を覗き込む。
朝食は理香子さんの要望でパンになることが多い。今朝はソーセージのソテーにベーコンエッグにポテトサラダだ。
「七都の弁当は作ったのよね?」
理香子さんの眉間に皺が刻まれる。私はあわててフライパンを火にかけた。
「い、いまから」
「いらねえよ」



