ようやく部屋をキレイにし終えて、息をついているとーー


ピンポーン、と、インターホンが鳴った。


ドアを開け、キリトを中へ迎え入れる。


ベッドの他に小さなテーブルがあるばかりの8帖のワンルームに、

長身に黒のロングジャケットが映えるキリトが入ってくると、

部屋の空気が一変したようにも思えた。


「ワイン、買ってきた……飲めるか?」

ベッドの手前にあるガラスのテーブルに、ワインの瓶を置いて、


「……いきなり来て、ワルい。俺の部屋とかだと、記者が張ってるかもしれないから…」


彼が、話した。