『じゃあ、これから会ってもらえるか?』


相変わらず、シュウがどうして自分に会いたいのか理由がわからなくて、

なんとなくもやもやしたままで、肯定の返事をした。


ーー彼の行きつけだという、音楽事務所近くのバーで落ち合った。

先に店の中で待っていたシュウの向かいに座ると、


「さっそくだけどさ…」


と、いきなり話を切り出された。



「……あんた、最近キリトと2人っきりで、会っただろ?」


シュウが、何かを探るように私を見た。


「えっ…なんで、知ってるの…」


キリトのあの時の様子からしても、まさか自分から話したとも思えなかった。


「……それぐらい、教えてくれるヤツは、いくらでもいるんだよ…」


シュウが言って、唇の端をわずかに吊り上げた。