「本当に?」

 改めて訊くと、さらに耳まで赤くして小さく何度もうなずく。


「やったぁ!!」

 俺は嬉しくて、勢い余って彼女を抱き寄せた。

 突然のことに目を白黒させている彼女を、ギュッと抱きしめる。


「やった。
 やったぁ」


 俺は満面の笑みを浮かべる。



 それは両親が亡くなって以来、初めて浮かべた心からの笑顔だった。