いつだって気の合う友達と遊ぶほうが楽しくて。

 彼女を作るつもりなんか無い。


 これまでに『デートをしてみたい』なんて、思ったことも無い。


 どうして自分の時間を使って相手に合わせなければならないのか?

 女なんてうっとうしいだけなのに。





「朝から不機嫌な顔してんなぁ」


 ぽんと頭をたたかれた。

 顔を上げると目の前に小山が立っている。


「“デートするならどこに行きたい?”とか、“どんな女がタイプ?”とか聞かれて、うるさかったんだよ」

「ふぅん、デートねぇ」

「そんなの、したことねぇから分かんないし」

「えっ?!
 お前、デートしたことないの?」

 小山が目を大きくして驚いた。