体育祭で一生懸命な先輩を見て、なんだか私の心が落ち着かないことに気がついて。


 それが“恋”ってことに気がついて。
 

 胸の奥が苦しくなった。

 


 だって、私は先輩にとって恋愛対象には見てもらえないから。



 背も小さいし。

 大して美人でもないし。

 学校の成績は真ん中くらいだし。

 取り立てて長所が無い。


 おまけに声が出ない。


 ただでさえ不利なのに、決定的なマイナスポイントを持つ私だから・・・。





 そんな私に先輩は言う。

「どうして?
 女の子って恋愛モノが好きだよね?」


 もちろん悪気があってのことじゃないって分かってる。