しかし兵器は少女である

「お入り」

部屋のドアをノックすると、お祖父様の声が優しく招いた。

静かに、ドアを開く。

そこで、

「ああ、待ちわびたよミリアリア。今日は一日、庭へ出ていたそうだね」

お祖父様――の膝の上、あの猫を見つけた。

「お、お祖父様……」

「なんだい?」

「その、猫……」

「ん? ああ、屋敷に迷い込んだみたいでね。今日はお前がいないあいだ、この子に相手をしてもらったよ」

庭のどこにもいないと思ったら、館の中に……

私はポケットに手を入れ、お祖父様へ差し出していた。

「お祖父様」

「うん?」

「これ、あげる。すごく、いいもの。猫、交換して」

出したのは、あめ玉で。

「ああこれは……実にいいものを持っているね、ミリアリア」

「とても、甘い」

「うむ。甘く美味しい、素敵なものだ。よし、この猫を連れてお行き」

お祖父様は快く、猫と交換してくれた。