しかし兵器は少女である

そうして――

「あら? なんでこんなところにあめ玉が?」

「ダメ!」

「きゃあっお嬢さま――!?」

ゴヂィン!!

私と給仕と庭師とで――

「あめ玉? なぁんでンなとこ落ちて」

「ダメ!!」

「うぉうお嬢さっ……ま゛っ!?」

ゴヂィン!!

茂みに潜みながら――

「ふんふんふ~♪ あら、なにかしら?」

「ダメ――!!」

「おおおおお嬢さミャグッ!?」

ゴヂィン!!

日が暮れるまで――

「おっ、なんか落ちてら。なんだなん」

「ダメぇ――!!」

「ぐはっ」

ゴヂィン!!

猫を待ち伏せたのだが――

「あり? あれは」

「ダぁメぇ――!!」

「きゃうっ!?」

ゴヂィン!!

結局、猫は現れなかった。





給仕が私のひたいを撫でながら溜め息をつく。

「お嬢さま、もうおしまいにいたしましょう。もう、猫もいなくなったのかもしれませんし」

「う、う……だけど……」

あの、シーツを干していた給仕に、猫を見せると約束した。