しかし兵器は少女である

私はその柔らかさやあたたかさ、そして優しい手付きに少し、呆けた。

呆けて、

「痛い。けれど、平気。慣れてる」

と答えた。

直後、給仕に抱擁される。

「お嬢さま……どうかさようにさびしいことを、簡単にお言いくださいませんよう……」

「……?」

「痛いことには変わりはないのでしょう? なら、痛いと申されてよろしいんです」

「だけど、私、だい」

じょうぶ、と言いきる前に、また。ひたいをさすられる。

給仕が、お祖父様のように柔和な笑みを浮かべた。

「心配くらい、させてくださいまし」

私はその笑みの理由がわからず……

しかし素直に、

「……うん」

うなずいた。

給仕が安心したようにうなずき返してくる。

そこへ、

「おっ、おいおいっ、俺の心配もしてくださいよっ!? 痛かった! すっげぇ痛かったですよ!?」

庭師が起き上がった。