しかし兵器は少女である

「伏せて!」

「きゃう!?」

私は慌てて給仕の手を引き、横にしゃがませた。

息を殺し、じ、と固まる私に、給仕が堅く訊ねてくる。

「ぉ、お嬢さま……いかがなさったのですか?」

私は簡潔に答えた。

「棒立ち、してると、気付かれる」

「気付かれる……! お嬢さま……侵入者か、なにか……?」

「うん」

「何者ですか?」

「猫」

「ねっ……」

…………急に、横が静かになった。

息を殺すのとは違う、真っ白とした静けさだ。

ちらりと確認すると、給仕は手を口に持っていき、わずかに身悶えしていた。

「……どうか、した?」

「い、いえっ、そんなっ、別になにも……!」

明らかに嘘にしか見えないし、嘘にしか聞こえない。

笑われている。理由はわからない。

まさか、私では猫を捕まえられないとでも言いたいのだろうか。