しかし兵器は少女である

「食ってみな。うんまいぞ」

「……」

「ほれ、口開けれ」

……言うとおりに、した。

庭師がポンと、玉を口に入れてくる。

舌の上に丸いそれの感触が伝わり――

「……あまい」

桃にかじりついたように、頬の内側が溶けてしまいそうな潤いが溢れた。

「甘い。甘い甘い」

庭師の言うとおり、それは、とてもうんまいものだった。

なぜかわからない。

だが、気持ちが上向く味。甘い。

「はっはっ」

と庭師が笑う。

「じゃっ、これで許してくれっかな?」

「許すっ」

残りの二個も受け取り、大いにうなずく。

すばらしい、すばらしいものを手に入れた気がする。

お祖父様はこれを知っているだろうか?

「ところで」

スカートのポケットにあめ玉をしまっていると、また水まきを始めた庭師が訊ねてきた。

「お嬢さま、なんでいきなり生け垣を跳び越えてきたんだ?」

「え」

気付く。

「あ」

私はまた、猫を見失っていた。