あの頃の想いをもう一度

【皐月】

私は、リビングで遼河の様子を伺っていた。

さっきお風呂から出て、遼河の後ろ姿を見ている。

(やっぱり、勉強のことになると周り見えないよね?)

前だって、私が声をかけても返事しなかったし。

でも、今日は夜に隼人と会う約束があるから、私は作戦を実行にうつす。

「り、遼河」

「ん?」

遼河は、教科書を持って振り返る。

「私これで寝るね」

「いつもより早くないか?」

遼河は、時計に目を向ける。

時計の針は、寝るにはまだ早い七時を指そうとしていた。

「さ、最近朝早くて寝不足で、早く寝ようと思って」

「お前にはいつも朝食作ってもらってるしな。分かった、なら俺もそろそろ部屋に戻る」

「うん、じゃぁまた明日」

な、何かすんなり作戦成功したけど、このまま行けば隼人の所に早く行ける!

と思ったのもつかの間で。

「なんて、俺が簡単に部屋に戻ると思ったら大間違いだ」

「へ?!」

遼河は、私の手首を掴む。

「何か様子が変だぞ?俺に何か隠し事してないか?」

な、なんて感の良さ!

「そ、そんな訳ないよ!ただ本当に眠いだけ」

「…」

遼河は、じっと私の顔を見てくる。

視線が痛くて、思わず視線を逸らす。

「…ま、別にいいけど」

「えっ?」

遼河は、私の頭を手を置く。