あの頃の想いをもう一度

皐月のことが大嫌いなのに、好きな子。

僕から皐月を突き放してるのに、皐月が僕の中に入って来ようとすることに、少しだけ期待を抱いている。

皐月なら、僕を救ってくれるかもしれない。

でも、僕が皐月の傍に居たら、必ず傷つける。

「ほんと…、矛盾だらけだ…」

こんな僕自身に失望する。

皐月の体質のことや、僕達に酷いことを言ったことに対しては、ちゃんと理解しているつもりだ。

遼河と同じく、仕方がないと思ってる。

でも、僕はそれを許せない。

『だって、彼女は君に酷いことを言ったんだからさ』

僕の耳元で、もう一人の僕が囁く。

皐月が僕達から離れたあの日生まれた、僕の恨みの塊の存在。

もう一人の僕――。

こいつがいる限り、僕は皐月の傍には居られない。

だって、皐月の傍に居たら。

いつ皐月を殺すか分からない。

『今夜会うならさ、いっそのこと彼女殺しちゃう?』

もう一人の僕は、喉の奥で笑う。

『変な期待を持つのは関心しないなぁ。彼女が君を救ってくれるわけないじゃん』

僕は、話を無視する。

『君だって彼女を傷つけたんだ。今更救われるとか思ってないよね?』

さすがもう一人の僕だ。

痛い所ばかりを突いてくる。