「お、男でも男は嫌いだ」

「じゃぁ、俺達も嫌いなの?」

奏多は、うるうるとした目で私を見てくる。

そ、そんな目で見られると…。

可愛いって思っちゃうじゃん!

「べ、別に奏多と篤は嫌いじゃないけど」

「わーい!良かった」

「良かったな、奏多」

喜ぶ奏多の頭を、篤は優しく撫でる。

私は、その二人の姿が、遼河と隼人に重なって見えた。

あれかは、隼人と話そうとして、何度か隼人のクラスに行ったんだけど、必ず私が行くとクラスにいない。

見事に避けられてる。

「はぁ……」

今日も行こうと思っている。

その時チャイムが鳴り、お昼の時間になった。

(よし、行く時間になった!)

でも、その前にお弁当を食べなくちゃ。

「皐月君のお弁当って、いつも美味しそうだよね」

「自分で作ってるから」

「遼河も作ってもらってるんだろ?」

「まぁな」

お弁当を広げ、なるべく早く食べる。

「いつも皐月君早く食べて遼河とどっか行くよね?何処に行ってるの?」

「ちょっと、会わないといけない奴がいるから」

「ふーん」

奏多は、美味しそうに卵焼きを口に運ぶ。