あの頃の想いをもう一度

「お母様から手紙ってなに?」

月子は何も言わず、手紙を差し出してきた。

その様子に首を傾げつつ、封を開けて手紙の内容を確認してみる。

しかし、そこにはたった一言だけしか書き記されていなかった。

「一ヶ月の間だけ、ある学校に通ってほしい?」

手紙の内容を見て更に首を傾げる。

ある学校に通ってほしいって、どういうことなの?

「月子。お母様はいつ頃、これを持ってきたの?」

「今から数時間程前でございます。急遽こちらに戻られたらしく、手紙を置いてまた国外へと帰られました」

「……相変わらず忙しい人だね」
 
私はこの体質のため、家族とは離れて暮らしている。

育ての親でもある父までも、私は拒んでしまう。

前に触れられた時、投げ飛ばしてしまったのだ……。

「はあ……」