あの頃の想いをもう一度

遼河は、私を見つめる。

何て言っていいのか分からなかったみたいだ。

「……私…、寮に戻るね…」

震える体を立たせて、私は遼河を置いて寮へと戻った。

遼河の傍に居たくなかった。

声をかけられるのが嫌だった。

部屋に戻った私は、扉を閉めて座り込む。

「私は……最低だ…」

隼人を傷つけていた。

遼河を傷つけていた。

なのに私は、そのことを忘れて、普通に生活を送っていた。

私は、最低な人間だ。

私にとって今の隼人の存在は、恐怖の塊でしかなかった。

『僕は、皐月を許さない』

あの時の彼の顔が浮かぶ。

「でも……」

隼人は、私を恨んでいる。

恨んでいるはずなのに、何で彼は―――。

『君が僕達を傷つけたことを思い出すまで!』

あの時、何で泣きそうな顔をしていたのだろう…。

「分からない……」

私は、うずくまって泣いた。

「皐月…」

「!」

扉の後ろで、遼河の声が聞こえた。

「……遼河?」

何で遼河がここに?

「早退届出してきた。話聞いてくれないか?」

「…今、遼河には会いたくない」

遼河に合わせる顔なんてない。

会ったとしても、昨日見たく接することは出来ない。