あの頃の想いをもう一度

「私は……」

「思い出したんだね」

私は、両手で顔を覆って何度も頷く。

「ごめんなさい……、ごめんなさい……」

「皐月…」

謝ることしかできなかった。

私は、遼河にこの体質を治してもらう必要なんてない。

遼河と隼人を傷つけたから。

「それじゃぁ、僕は行くよ」

「隼人!」

遼河は、隼人を呼び止めた。

「隼人、お前は結局…、皐月に何をしたかったんだ!」

「見れば分かるじゃん、ただ思い出して欲しかっただけだよ!」

「でも、こんなやり方じゃなくても、皐月の記憶を思い出させる方法なんていくらでもあった!」

遼河は、隼人の胸ぐらを掴む。

「ちゃんと答えろ!」

「大嫌いだからだよ!!」

私は、顔を上げて隼人を見る。

「皐月なんて、死んでもいいくらい大嫌いなんだよ!だから、こんな事をした!皐月を壊すために!」

隼人は、私に睨みつける。

「僕は、皐月を許さない!」

「隼人…」

遼河は、隼人から手を離す。

「安心しなよ、もう君の前には姿を見せないから」

隼人は、それだけ言うと行ってしまった。

隼人は、一番傷ついたのは遼河だと言った。

決して自分だと言わなかった。

だけど、私の中では、隼人と遼河…。

二人とも同じくらい傷つけたと感じた。