あの頃の想いをもう一度

「ただいま……月子」
 
月子に案内されながら、荷物を他のメイドたちに預ける。

当然、男が苦手な私だ。

この屋敷には【執事】と呼べる者は存在しない。
 
☆ ☆ ☆

先に部屋に戻って、制服から私服へと着替えていたところで、部屋の扉が軽くノックされた。

「誰?」

「月子にございます。お嬢様、母上様からお手紙を受け取っております」

「……お母様から?」
 
着替え終わった私は、部屋の扉を開け月子を中へと入れる。