あの頃の想いをもう一度

「…。じゃぁ、また後でな」

遼河は、先に教室の方へと歩いて行った。

「…ふぅ」

軽く息を吐く。

「さて、職員室行こっと」

と思って、紙の書いてある通りに道を行ったつもりだったんだけど…。

「…あれ?」

何故か屋上に来てしまった。

「何でここに居るんだ?!だって、紙にはここを登って左行って右行って、それで下ってまた登って左に行って、更にまた登って右行って下って……」

まて、よく考えたらこれ地図じゃなくない?

ただ紙にそう書いてあるだけだ。

「もう少しましな地図書いてよ!!」

私は、紙をコンクリートに叩きつける。

「絶対先生待ってるよ…」

その頃先生は―――。

「あの子来ないわねぇ、そろそろ授業始まるのに」

「里奈(りな)先生、和菓子食べます?」

「ま、そのうち来るからいっか!食べます!」

特に彼女の事は心配していなかった。

そうとも知らず、彼女は……。

そして屋上で―――。

「どうしよう…」

相当焦っていた。

「職員室の場所知らないし、遼河のクラスも分からない。でも、男に道を聞くなんて…」

「おい」

「はい!」

急に声をかけられ、声が裏返る。

「お前、こんな所で何してんの」

低い声……。

「あ、あの……実は……」

子羊の様に震える。