あの頃の想いをもう一度

「なぁ、遼河」

「なんだ?」

「帰ってもいい?」

「却下だ」

即答でスパッと切られた。

「だ、だって!目の前が揺れてるし、体がふらついて」

「いや、それただお前が揺れてるだけだから」

私は、壁に手を当て息を整える。

「なら、いつものクールで行けばいいだろ?」

「そ、そうなんだけど、そのクールモードになれない」

「おいおい…」

まさか、今までより緊張しているせいかな?

それとも、何かの病気?!

「はぁ…」

遼河は、溜め息をついたあと歩き出す。

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

「先に行くんだよ、お前は先生と来い」

「嫌だ!どうせ男の先生でしょ!絶対に嫌だ!隣なんて歩きたくない!」

「別に隣じゃなくてもいいだろ…」

遼河は、私のところに来ると紙を渡した。

「心配するな、俺のクラスは女の担任だ。もちろんお前の事情も知ってる。フォローしてくれるだろ」

「そ、それ本当に?!」

「ここで嘘言ってどうするんだよ」

よ、良かった!

担任が女の先生で!

それを知れただけでも少し楽になれた。

「職員室の場所は、紙に書いてある通りだから、ちゃんとそこに行けよ」

「だ、大丈夫だよ!職員室くらい行けるさ!」

「本当かぁ?」

遼河は、疑わしい目で私を見てくる。

「大丈夫だって!」

子供でも方向音痴でもないんだから、大丈夫だよ!

心配しすぎだってば!