【遼河】

ノートに今日やったことを復習していたら、こんな時間になってしまった。

「そろそろ寝るか」

と思った時、部屋の扉をノックする音が聞こえた。

「皐月か?」

こんな時間にどうしたんだ?

何かあったのか?

俺は、部屋の扉を開ける。

だけど、そこには皐月の姿は見当たらない。

「気のせいか?」

と思い扉を閉めようとした時、なにか置いてあることに気づいた。

「コーヒー?」

コーヒーの入ったカップに触れる。

「まだ温かい」

入れたてか?

カップの下には、手紙らしきものも置いてあった。

俺は、その紙を開いて読んでみる。

『頑張ってね』

俺の顔に思わず笑が浮かんだ。

あいつらしいと思った。

「なんか、苦そうだな」

一口飲んでみたけど、俺好みの味だった。

「なかなか美味いな」

俺は、チラッと机の方を見る。

「もう少しだけ、やるか」

そう思い、部屋の扉を静かに閉めた。