あの頃の想いをもう一度

「もしかして、まだ好きなの?皐月のこと」

「だったらなんだよ!」

隼人は、何が面白いのか、俺を嘲笑うように見てきた。

「おかしいよ、あんなやつまだ好きなんて」

「これは俺の気持ちだ。お前には関係ねぇんだよ!」

俺は、隼人の胸ぐらを掴む。

「皐月に手を出したら許さないぞ!」

「…遼河は、昔から皐月の事になると、必死になるよね」

隼人は、俺の手を振り払う。

「皐月は、僕たちに酷いことしたのに」

「それ以上言ったら、今ここでぶん殴るぞ!」

「そんなことしたら、停学だよ」

隼人は、俺に背を向ける。

「また来るよ」

「二度と来るな!」

「でも、遼河。隠しておくのは駄目だよ」

「はっ?」

隼人は、振り返り言う。

「昔のこと覚えていない彼女を甘やかすのはどうかと思うよ。ちゃんと現実見せなくちゃ、皐月の為じゃないよ」

「そんなの、分かってるさ!でも、傷つけたくないんだよ!」

俺たちを傷つけたことを思い出した皐月は、絶対自分を追い込む。

それなら、忘れたままの方があいつの幸せだ。

「それじゃぁ、遼河は皐月の隣にいる資格ないよ」

隼人は、それだけ言うと行ってしまった。

「元々隣にいる気なんてねぇよ」

これを引き受けた時から、あいつの体質を治せればいいと思った。

好きで隣に居たいと思っても、あいつの為じゃない。

俺がそばにいたら、辛いことを思い出させるだけだ。

それに、さっきは触れたけど、次触れたら昔のことを思い出すんじゃないかと、ちょっと怖い。