あの頃の想いをもう一度

【遼河】

(くそ…、一体誰だよ)

あと少しで俺の手に触れられるところだったのに、邪魔した奴許さねぇ。

「どちら様?」

扉を勢いよく開ける。

別に顔にぶつかったって、謝る気はなかったけど、俺は目の前にいる奴の姿を見て、ぶつからなくてよかったと思った。

身長は俺と同じくらい、癖一つない真っ黒なショートの髪、人を見下すような目つき。

「隼人…」

俺の“元幼馴染”桜葉隼人(さくらばはやと)が、仏頂面で立っていた。

こいつが俺の部屋に来るなんて珍しい…。

でも、来た理由は何となく分かっていた。

「何しに来た?」

とりあえず、そう質問してみた。

「…来たんだろ?あいつ」

「あいつって誰?」

「皐月だよ」

俺は、隼人を睨みつける。

「誰から聞いた?」

「君のお父さんから」

「あのくそ親父…」

余計なこと言いやがって…。

「居るなら会わせてよ」

俺は、会わせないように扉を閉めて、隼人の前に立つ。

「なんでだよ、お前あいつの事嫌いだろ?」

今更なんだよ、あいつに会う理由が分からない。

「遼河には、関係ないよ」

「関係あるね!」

互いに睨み合う。